7.国会図書館関西館()

笑ってしまったのは機器持込コーナーというのがあって、ノートパソコンなどを持ち込める机があるのだが、LANに接続できるわけでもなく、電源コンセントすらない。閲覧のために出してもらった本を見ながらデータを打ち込んだりするのだろうが、バッテリーが切れたらサヨナラとなる。要するに普通の閲覧机をすこし大きめにしただけなのです。それだけ館内で閲覧できる人数はスペース的に減ってしまう。開架も閲覧机のある地階だけ。新聞や国会議事録は開架で充実しているけれど。

それよりも、なまじ電子化されるとパソコンを使えない人、主義主張があって一切電子機器に触れない人などに対するレファレンスは行き届いているのか気になるところだ。ここのパソコン自体もバックスペースキーと←キーが使えずけっこう使いにくい。

図書館はそれぞれ目的、機能があり、開架閲覧および貸し出しをメインとしない図書館はネット上のものに収斂していくだろうし、資源の節約上からもそれが好ましい、とひとまずはいえる。そこにあるのはナツメロの「秋の日の図書館のノートとインクのにおい」とは別物の世界だ。無人の厖大な閉架書庫にロボットが本を取りに行くだけ。あるいは情報としての活字がすべて電子化され、自在にプリントアウトされるだけ。小中学校や公共図書館のように、書棚から本にめぐりあう、というのはこういう図書館では無理な話だ。(この項つづく)

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