6.国会図書館関西館(1)

国立国会図書館関西館が昨年10月にオープンした。京都府相楽郡精華町にあり、奈良市(奈良県)北部と接する学研都市の中心に位置する。原ちゃりで10分のところ。開館翌日さっそく見物にでかけた。山をならした造成地にガラスを基調とした直方体の4階建ての無粋な建造物が忽然と出現する。午後の日差しをいっぱいに浴びると全体がけっこう眩しい。自転車置き場は相当貧弱で駐輪に苦労した。駐車場スペースはまあまあだが公共交通の便は悪い。

検索用のパソコンが200台ほど並んでいるのは壮観。しかし、検索できる範囲は東京本館、関西館、こども館に限られており、本や雑誌を探しに来てもここに存在しない場合、次にどこへ行ったらいいのかわかるようになっていない。要するにインターネットに繋がれていないのだ。図書館だからネットカフェとして利用されたら困る、ということだろう。いまどき、普通のインターネット環境があればこの国会図書館だけでなく、全国の大学の図書館はほぼすべて、公共図書館もかなり、アメリカの議会図書館まで、目録を公開しているところの情報はいながらにして手に入れることができる。相互利用もかなり可能だ。そしてここのデータベースに外から入ることは出来る。登録してパスワードをもらえば閲覧申し込みもできる。コピーを送ってもらうことも今年1月7日から可能になった。来館せずとも直接の閲覧以外は外のパソコンからすべてできる。貸し出しができないから本を借りてじっくり読むなら、多少の時間はかかるが他の図書館の相互利用のほうが現実的だ。原ちゃりで10分の有利さはほとんどない。ここが所蔵する大部あるいは大量の資料の一部を少しずつ確認しながら写すという場合ぐらいか。

http://www.ndl.go.jp/

だからここのパソコンのメリットは検索することにあるのではなく、この画面で目的のものが館内に見つかったらさらに操作を進めて、閲覧やコピーの申し込み手続きへとそのまま進めるというところにある。操作を終わればあとは館内至るところに(4階のカフェテリアにも)あるディスプレイに用意ができましたの番号が表示されるのを確認してカウンターにいけばそれで終わり。ただしもちろん関西館所蔵のものに限る。この点ではカウンターの前でいつ出てくるともわからずに電光掲示板を見ていた東京本館よりは精神的に数段いい。(この項つづく)

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