セブ島−潜って食べて−

高尾広明

1.僕の村

私たちは、現役が終ったり、終わりが近づきつつあり、学生時代の友人たちとの交流が再開する機会が増えています。私の高校同窓同期には、面倒見の良い人たちが沢山いて、ホームページが充実、定期的に同期の人の話題をメールで流してくれたりもしています。その中に、A君という元水泳部が居て、数年前に会社を早期退職、今はダイビングと奥さんの実家の農地を耕して過ごしています。彼は、セブ島に「僕の村」と称する行きつけのダイブスポットを持っていて、友人達の訪問を盛んに誘っています。今回、10月半ばから2ヶ月行っているとのこと、これに便乗して私も僕の村を訪ねてきました。

セブというのは島の名前でもあり、又、市の名前でもあります。セブ島(及びセブ市)の直ぐ東にマクタン島という小さな島があり、セブ市とは狭い海峡を二本の橋が結んでいます。セブ国際空港はマクタン島のセブ島に近い側にあります。私も含め日本人には、セブというと、タイのプーケット、バリ、と並ぶ白い砂浜と海辺のプールの高級マリンリゾートのイメージを持つ人が多いと思います。実際、マクタン島の東側は日本資本中心に高級ホテルが並んでいて、日本人の多くはこちらに行くそうです。

僕の村はセブ空港から車で約2時間かかる田舎の村です。訪れるのはダイビングが目当ての人たちで、ヨーロッパ人が多く、日本人旅行者は稀です。高級リゾートホテルは全く無く、最高級でも一泊$50程度、A君が常宿にしているのは$10でシャワーは水だけ、エアコンなしのバンガローです。海岸沿いを乗用車がほとんどすれ違えないほどの狭い道が通っており、その両側は安ホテル、レストラン(海岸に面して主に観光客向け)、食堂(道路に面して、ローカルも沢山利用している)そしてダイブショップ、昔の日本の駄菓子屋を思い出させる小さな店屋が並んでいます。

イタリア、ドイツ、韓国、日本人等外国人が経営するダイブショップが沢山あります。現地の人たちは、以前は漁業や小規模な農業を営んでいたのでしょうが、今は海で漁をしている漁師も僅か、畑には貧相なとうもろこしが見える程度。鶏は盛大に飼われていて、特に雄鶏の多さに驚かされますが、これは闘鶏用。又、ヤギも沢山居ます。

国道の通る最短の市までは、約4Km、トライシクルと言うオートバイの脇に人が乗れるようにした乗り物が主要な足です。ローカルの人はこのトライシクルに10人近く乗ります。つい最近までは高床式の椰子の葉を葺いた小屋が主流でしたが、最近はブロック積み、トタン屋根の家も増えています。高級住宅で60万円ほどだそうですから、お一つ如何ですか?

気温は年中昼間は30度を少し越える程度、夜は30度以下に下がる感じです。雨季もあるそうですが、一日数度ざっと降るだけで、後はほとんど晴れです。住人は観光客も含めて、お互いに知り合いが多く、セキュリティは極めて良好です。


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