上海の採用試験

              

長尾 伸一

 

上海に来ています。
 今回の目的は、女子社員の採用で、既に絞り込まれた5名の面接をしました。事務職の新卒が前提で、それに日本語が堪能(日本語検定1級)が条件です

1人1時間位じっくり時間を掛けて色々な話をする中で、見極めて行きました。

共通している事が二つありました。
 一つは全員が一人っ子であることです。一人っ子政策は完全に実施されているようです。
そして、ほとんどが親と祖父母と同居しており、食事を作るのは、母親か暇な祖父母が担当しているということでした。彼女達は、一人も自分で作るとは言わなかった。

二つ目は、日本語を勉強しようと思ったきっかけは、日本の産業や伝統文化への憧憬ではなく、テレビで見たドラマのキムタクがかっこいいとか、日本のアニメが好きだとか、皆、そんな理由なのですね。

そんな彼女達が日本語を勉強して産業界の橋渡しをするなんて、私は単なる娯楽としてしか見ていなかったドラマやアニメの存在を見直しました。

それからもう一つ、その中の一人が、もう既に上海大学に留学に来ていた時に知り合った彼氏がいて、その彼氏がもう直ぐ日本から工場の駐在員として上海に永住の積りで来ると嬉しそうに話していたことが印象に残っています。
 そして、その工場は『100円ショップ向け製品工場』とのこと。いかにも『今風』ですね。
 そして彼氏は言ったそうです。
 『君の為に来るんじゃない。自分の夢の為に来るんだ』
 カッコいいですね〜。キムタクみたい。二人の結末や如何に。


「同期の人から」ページに戻る