2日目

7月16(金)あめ
−北上、新得へ−


(広尾町…中札内村〜帯広市〜新得町)

「ツールド北海道1999」へ

今日も雨、一部区間はバス利用

5時頃に目が覚めた。窓を開けて外を見ると,雨が降っている。
風呂に入り,なま乾きの衣類などをドライヤーで乾かし,パッキングした。今日は昨日の失敗に懲りて雨対策を慎重にした。
雨は未だやまない。今日の目的地の新得まで130kmをすべてヒデバロ号で行くか,昨日ヒデバロ号で来た区間はバスに乗るか迷った。今回の旅行の目標の一つとして,7日間で700kmを走ることも心の片隅にあった。だから,昨日不通で走れなかった46kmを取り戻すために,今日は広尾から新得までヒデバロ号で行きたかった。しかし,外に出てみると,意外に雨は強く,いっぺんでくじけた。
輪行することにした。

ホテルむらかみにて

この写真を撮ってくれた「ホテルむらかみ」の女将さんは,雨の中を走ってきて,また雨の中を出ていくボクにとても同情してくれ,「かわいそうに」といいながら,帯広のパンフレットや北海道の地図などを探して,出発前に渡してくれた。荷物になるし,今の時代は情報誌というのがいっぱいあって,インターネットでも調べてあるので,いらないと思ったが,その気持ちへのお返しと思いありがたくもらった。
バスは,9時11分に来た。始発みたいなものなので,乗客はほとんどいない。徐々に乗客が増えたが,満席になることはない。みんなお年寄りで,病院へ行くらしい。とても人が乗降するとは思えないバス停がノンストップで過ぎていく。豊依,大樹,忠類,更別を過ぎて,約1時間20分後に中札内でバスを降りた。
なぜ,中札内なのかというと,「道の駅なかさつない」があるからである。ヒデバロ号を輪行袋から出して組み立て,荷物をくくりつけるという作業を雨の中でやることは,雨の中を10km余計に走るのよりつらい。特産品販売コーナーが空いていたので,そこで組み立てた。もう,稚内空港から飛行機に乗るまで輪行袋を使うことがないように願いながら。

中札内より帯広→新得へ

11時過ぎに出発する。帯広市内まで,雨の国道236号線をひたすら走る。幸福,愛国を過ぎたあたりで,ライダーと出会うようになる。追い越していくライダー,すれちがうライダーがサインを送ってくれる。少し元気付く。いきなりヘルメットにカッン。何かあたった。石にしては軽いし,鳥の糞にしてはちょっと重い衝撃だ。あとでライダーさんたちと話していたら甲虫と判明した。北海道ではよくあるらしい。帯広市街に入る。急に今までと景色が変わる。道路にも釘などが落ちていたりして,気を付けなければ。(結局,帯広では3本の釘を見つけた。特に十字路の角の砂利がたまっているところが危ない。)
13時頃,帯広名物のブタ丼を食べるために駅前の「ぱんちょう」という店に入った。店の前には大きなバイクが5,6台停まっており,ヒデバロ号は端の方に停めた。店の中は客でいっぱいだった。ヘルメットとサングラスをはずし,レインウェアの上着を脱いだ。順番が来て着席し,注文が終わると,汗が冷え始めたのでTシャツをトイレで着替えた。みんな相席で,食べるとすぐ出ていくことになるが,ブタ丼とナメコ汁で1050円は,ちょっと高いような気がした。そのブタ丼を待っていると前に座っていたアベックの女の子の方が「自転車ですか。」と聞いてきた。「はい。」と答えた。その女の子が,先に席を立つときに,「気を付けて」といって出ていった。
雨は小やみになった。「六花亭」に行って,おみやげを家に送った。
14時に帯広を出発した。雨上がりの交通量の多い国道38号線の路側帯を新得に向け,釘に気を付けながら,急ぐ。あと43km。あまりの路側帯の狭さと凸凹がイヤになって,芽室から川沿いの道道75号線を走ることにした。交通量は少なく,雨もあがったので,レインウェアの上着をぬいで,Sさんが作ってくれたオリジナルMDを聴きながら走る。ジャガイモの花が咲いている。国道と違って北海道らしい景色がうれしい。
BGMは,「10年先のラブストーリー」(TUBE),「リフレインが叫んでる」(松任谷由美),「TRUE COLORS」(シンディー・ローパー),「LOVERS BELL」(高橋真梨子),「月と海の贈り物」(徳永英明)など。
それもつかぬま,また雨が降ってきた。いいことは長く続かない。雨は,水分を含んで荷物が重くなるし,タイヤがスリップして,速度が出ない。また,路側帯を見つめながら黙々と走る。昨日はミミズ,今日はカタツムリが多い。踏みつぶさないように走る。
なんだかんだで,予定どおり17時に新得に着いた。
今日の宿は,「サホロユースホステル」だ。コンビニが向かい側にあって便利そうだ。チェックインする。レインウェアは濡れているので,外で脱いで外の物置の中に吊す。宿帳に記入し,ユースホステルの入会手続をしていると,汗で濡れたTシャツが冷えてきてとても寒い。その後,部屋にはいるために汚れた足と荷物をふくと更に寒気がしてきた。まず,風呂に入る。まだ,ボクとライダーさんが1人しか到着していないので,のんびり一人で風呂に浸かる。ここまで来て少し余裕が出てきた。けっこう予定どおり走っている。途中でイヤになったり,やめようなどと思ったりもしていない。風呂を出て,前のコンビニで缶ビールと低脂肪牛乳とホワイトリキュール(北大生の御用達の焼酎)を買う。部屋の片隅で荷物を広げ乾かしながら,ビールと牛乳を飲んでいると同室の人が次々と到着した。「こんにちわ!よろしくおねがいします!」などと挨拶する。
夕食になったが,みんな出されたものを黙々と食べて,食器を片づけて流れ解散。夕食後に同室の人たちとホワイトリキュールを飲みながらいろいろと情報交換をしていると,180mlの瓶はすぐに空になってしまった。また,コンビニへ。21時からティータイムということで,みんなミーティングルームに集まった。年齢は,40代の人から20才くらいの人までさまざまで,男女はほぼ同数だった。ボクはもっぱらお酒を飲むグループに属していた。また,コンビニへ。
今度は760mlのウイスキーにした。水とおつまみを買ってきた人もいた。ライダーさんたちから,「たいへんだね。えらいね。」といわれ,お酒を飲み過ぎた。
昨日のようなホテルの個室もよいが,やはり人と話ができるのは嬉しい。
今日の走行距離は,77kmである。
就寝時刻は,たぶん23時?

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