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重症急性呼吸器症候群(SARS:非典)感染地域からのレポート
(1)日本への一時帰国(5/1〜18)→5/8記
藤島@大阪自宅です。先日ご連絡差し上げた通り、4月3日に北京に単身赴任しましたが、ご存知の様に4月の中旬あたりから急にSARSの感染が報告されるようになり、WHOから域内感染地域に指定されてから情報公開が急速に進み、いつのまにか、北京も香港に次ぐ感染者数になりました。実は元々ビザの切替があり、4月20日過ぎに一時帰国する予定でしたが、そのような状況でしたのでこの5月の連休に帰国しました。従って今週一杯、例の10日間ルールで自宅待機(謹慎ではありません)しています。
(話は変わりますが、この10日間ルールは家族の健康をどう考えているのでしょう。責任逃れのような感じがしてならないのですが)
日本で騒いでいるよりは意外と大丈夫でしたが、感染のリスクよりは、ビル内の他テナントで擬似感染が出ただけでビル封鎖及び隔離されることが非常に怖かったことです。
(大学など含め今現在17,000名近くが隔離されています)
そのようなことなどで、来週1週間は日本事務所で勤務し、その翌週戻るつもりです。新聞紙上で書かれているように経済への影響はきわめて大きく、弊社のように製造・販売している企業はその中でも大打撃です。赴任早々とんでもない事態になってしまいましたが、私の担当している情報システムはこのような事態にこそ頑張らねばならぬということで、事前に導入して対応したTV会議システムや在宅勤務用ネットワークなどが重宝がられております。
しかしながら経営活動に大きく影響がありますので、中国に戻ったら、しばらくは日本への帰国は難しいと思います。ということで、前置きが長くなりましたが甚だ残念ではありますが、同期会は欠席させてもらいます。
本来であれば、「カラオケでの小姐の実態」とか最近の北京事情についてレポート出来れば良いのですが、あいにくそのような所にご無沙汰しているのと前述のSARSなどによりまだ何も報告らしいことが、出来ませんのでご勘弁を。(梅澤さんの方がはるかに良くご存知と思いますので、もしご出席されたらフォロー願います:一応私も、また日本にいる家族の両方で梅沢さんお勤めの銀行の口座を利用させてもらっていますので)
ということで、何とか頑張って枯れ木に花でも咲かせたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。なおこのメルマガ、伊藤さんのご努力に感服しております。是非長〜く続けて頂けることを期待しております。(そのためのレポートであれば、カラオケでの小姐の実態も努力させてもらいます)
(2)北京への復帰(5/18〜)→5/27記
当初はJALをよく利用していたのですが、派遣社員に切替えたあたりから、サービスや質(?)が落ちたように思われましたので、最近はANAを利用しています。しかしながら、関西空港から北京への直行便が運休になりましたので、18日当日は伊丹から成田経由で北京に戻りました。出発時は当然ながらチェックはあまり厳しくはなく、成田から北京までは約30数名のお客さんで、週刊誌などで書かれていたスチュアーデスと仲良くなれるチャンスはほとんどありませんでした。
(こんな状況でも何か暇つぶしが欲しいと思うのは異常でしょうか)北京空港のチェックも赤外線の温度変化と問診票だけで簡単でしたが、異様にガランとした光景は何とも寂しいものです。
復帰早々、弊社Gの製造会社2社の従業員5名がSARS感染者という報道が日経新聞などで大々的にされましたので、よくご存知と思われます。日本でいう地方からの出稼ぎ(こちらでは農民工といいますが)の従業員ですが、ついに出てしまったという感じです。2社とも現在操業停止をしていますが、製造会社にとっては大打撃であり、弊社は海外事業−しかも中国で−何とか頑張りたいという企業ですので自分のところで絶対にSARS感染者をださないということが如何に大切かを痛感しております。
しかしながら先週1週間のSARS増加者はかなり減ってきています。 休日に街中のスーパー(イトーヨーカドーや京客隆という現地のお店)にも買物に行きましたが、多少マスク姿はあるもののほぼお客様は戻ってきているという感じを強く持ちました。
ちなみに弊社の営業が量販のエアコンの売れ行きを確認したところ今年最高の実需のようでした。
どうも封鎖や隔離政策をとったことなどにより、拡散が収まりつつあるようですが、北京市では気が緩んでいることを心配しており、その結果、6月増加説がささやかれているようです。弊社でもまだ、今月一杯、現地社員は交替制勤務(リスク分散)、毎朝の検温チェック、会社の手配した車での出社・帰宅を続けています。かつこれが企業活動の制約になっていますが、他地域への出張が規制されております。また仮に上海に出張したとしても、上海市の条例で2週間の禁足があるため、現実的には出張の意味がないことになっています。
だらだら書きましたが、確かに今まで中国(北京)では正しい情報発表がなされておらず、急激に公表したためパニックに近い状態にもなりましたが現在では落ち着きはじめてきています。 そして不思議なのは奇跡的な患者数の上海については相当な疑問が残ります。
(推測でいうと日中間の問題にまで発展するかも知れませんが)また、日本のマスコミで報道されていることも正しいのですが、極論に近い報道が目立ちます。心配して頂けるのはありがたいのですが、自らのリスク管理には相当甘さがあるように思います。
(台湾の問題や、与党幹事長らの北京訪問後の日本での行動など)
偉そうにしておりますが、私もまだ中国(北京)は実働1ヵ月足らずですので、同期会の中でも梅澤さんの様にはるかにご経験豊富なお方が多かろうと思います。SARSだけでなく、今後のことも考えて何かアドバイスなどあれば、是非お教え頂きたくお願い致します。(30年、仕事一筋のため、どこに何しにいったらよいかなど、言葉も含めてチンプンカンプンです ……… この語源も中国語のようですが)
またの機会を、再見!