東南アジア

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22 インドネシア ビンタン島 Date:12/21/2004-Tue-6:20:54-PM 

インドネシアのビンタン島なんて名前聞いたことないでしょう?
インドネシアの端の島でリゾートになっている。

その日は、シンガポールのホテルを出て、バスで橋を渡ってマレーシアに入りジョホールバルを観光し、再びシンガポールに戻って、今度は海路インドネシアのビンタン島に向かった。1日で2カ国というのはヨーロッパではよくあるが3カ国というのは初めてだった。

ビンタン島は、シンガポールの空港そばの港から高速船で45分程度の距離にある。
元は何もない南国の島だったが日本のバブルに伴いとある日本の旅行社が出資して開発したという噂のリゾート地。ただシンガポールに近いというだけが取り柄の島。
今ではガイドブックにもあまり載っていない。

海は元からあるのでホテルとゴルフ場を作ったという程度の簡単な開発が行われただけ。街なんてない。

海と言っても珊瑚礁の海ではなく、南シナ海に面しているのでまともに泳げやしない。ひ弱な私はすぐに溺れそうになった。
海で泳ごうなんてーのは貧しい日本人くらいで、外人は海は日光浴の場で、泳ぐのはプール。

ゴルフ場はまあまあ。日本資本が作ったゴルフ場はどこでも外国資本が作ったゴルフ場に比べれば綺麗だし、メンテナンスも良い。それだけ日本のゴルファーは色々とうるさい。箱庭ゴルフ場と呼ばれる。
一人のゴルファーに数人のキャディーが付いて大集団になるのは南国ゴルフの常で、元々キャディーフィーは安いから、稼働人口が増えても所得合計額はたいした額にならない。
キャディーさんはみんな若い娘で17,8歳くらいか。近所の村の娘さん達が親に言われて集まったような感じ。働く熱意はまるで感じられない。
キャディーとしての知識経験もない。グリーンまでの距離を聞いても日本語が分からないと言うそぶりで、こっちが「150ヤード?」と聞いても「イエス。イエス」。「140ヤード?」でも「イエス。イエス」。当てにならない。
ショットを曲げて林にはいると「ジャングル!」と叫ぶ。ゴルフボールを探しに行こうという気はない。ジャングルにはコブラがいるから危険だという。茂みにぶち込むと「ブッシュ!」と言われ、これもコブラだのサソリだの危ないものがいると言われてワンペナになってしまう。本当か確かめるわけにはいかない。
我々がグリーンの上でフックだのスライスだの言い合っている間に、広いグリーンの端にキャディーさんが5,6人座り込んで現地の歌を歌い出した。
我々がカップインしてもすぐには歌が終わらない。

まあ、のんびりするには良いところだけど、なにせバブルの勢いだけで作っちゃったリゾートだから、無くなるのも時間の問題という感じがあふれている。
出資したとある旅行社以外は当然集客に力を入れないだろうから客が行かなくなるのも無理はない。
こんなことだからこの会社は他の旅行社と合併しようとして失敗したのだろう。

さて、日本もそろそろ寒くなってきた。
この正月は暇だからいつものアッタカーイところに逃げるとするか。
ゴメン、ゴメン。


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